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同期対談「ギャップは嫌だが役に立つ」~6年目職員、入省前後の働き方に関するギャップを考える~

「入省後にギャップに悩みたくない」という就活生は多いのではないでしょうか。
しかし残念ながら、

『ギャップは、確実にあります。』

入省前に抱いていた「文科省で働くということ」のイメージと、入省後に実際に感じた「働くということ」の実際。
そこにギャップがないかというと、それは確実にある、ということです。
これは文科省に限らず、どんな省庁や企業に入っても同じかもしれません。
その違和感をできるだけなくすため、我々リクルートチームも説明会や職場訪問などを通じて理解を深めていただく活動を進めていますが、
それでもなお、入省後に現れる最初のギャップが、若手職員にとっての悩みの種・曲者になってしまうという声は存在します。

そこで今回の記事では、そうした「曲者ギャップ」に注目しつつ、平成29年入省(入省6年目)の技術系職員へのアンケート結果を踏まえた、以下の4名による座談会の模様を「赤裸々に」お届けします!

今の仕事は楽しいか?~調整業務と原課業務~

省庁での仕事には、予算や国会関係の対応、省内・省外と連絡を取り合って物事を円滑に進めるための「調整業務」と、個別具体の研究分野の振興や人材育成など、具体的な政策課題に取り組む「原課業務」とに大別されるね。
それをふまえて、まず「今の仕事は楽しいか?」っていう結構攻めた質問だけど…

「今の仕事は楽しいか?」に対する回答結果

今はたまたま12人も「楽しい」って答える状態だけど、個々人を時系列で追ったら楽しくなかった時期は、誰しも一度はあるんじゃないかな

私は、今は「楽しい」って回答したけど、過去楽しくない時代がなかったかというと嘘になるかな…

楽しくなかったのは、どういうことが原因だったの?

ポスドクの待遇改善とか、論文数が少ないのを増やしていくとか…そういう「研究者支援」や「環境整備」といったことに取り組めると思っていたけど、実際に入省してすぐは、他部署との細かい調整とか、会議の準備とか、全く想像してなかった仕事が押し寄せてきたから…

たしかに、ここまで細かな仕事が多くて大変だとは思わなかったかな。
国家公務員というと日本のこれからを背負ってバリバリに頭を使うような仕事だと思っていたけど、1年目の頃はひたすら調整や雑務をこなす毎日だった。

でも、調整に意味を感じないからやめる、っていうのも、ちょっともったいないなと思うこともあるかな。
最初はそういうのも必要かなと思うし、くじけずにもう少しやってみたらいいと思ったりもするけど、どうかな。

最初はみんな総括担当だから、連絡・調整の仕事が中心になるよね。
入ってすぐに原課業務(事業担当など)をやったほうが、確かにギャップは小さいだろうけど…

やっぱり原課業務の楽しさっていうのは、調整業務がどうなっているのかを理解してこそなんじゃないかな。
どうすれば意見が通るのか、調整が上手くいくのかとかいうのを最初に理解しておくのは結構大事だと思うなあ。

そのあたりが見えてくるのがたぶん我々の世代くらいからって感じがするよね。3年目くらいまではどうしても「異動ガチャ」的な側面もあって、自分の調整業務に比べてほかの仕事がやたら楽しそうに見えたりするけど、
5・6年してくるとだいたいみんなバランスよくいろんなところで経験積んでくるようになる。

何度か異動を経験すると、上司や環境も何度か変わるから、業務の大変さの原因が、自分が文科省の業務に合っていないからなのか、上司と性格的に合っていないからなのかというのもわかってくるよね。
後者を前者と勘違いしてしまうのはもったいない。

だいたい2年ごとの異動だから、後者であってもある程度定期的に人間関係はリセットされるし、そういう意味での風通しは良いんじゃないかなと思う。


どんなキャリアパスを歩んできた?~多様な文化と相性~

次に、これは我々同期のキャリアパスを並べたものなのだけど、こうしてみると、他省庁への出向とか、教育部局とかも結構経験しているよね。

入省6年目職員(技術系)13名のキャリアパス

教育部局と科学技術部局とはやっぱり文化というか仕事の進め方が違うって感じたかな。教育部局は、科学技術部局みたいに積極的に予算を取りに行く「攻め」の姿勢よりも、法や制度を通した「守り」の姿勢がより一層強い印象を受けたかも。
そういう意味でも科学技術と教育、両方の部局を経験すると、総合的な政策判断の力がつくのだろうなと思う

一般職だと原課業務が多くて、役所の中の人と全くやり取りがなかったりもする。
それはそれで面白いけど、政府全体の動きが入ってこないとギャップは感じるかも。

ポストによって性質が違うのだろうね、研究者とずっと話せるような場所もあれば、他省庁などとの調整ばかりの場所もある。
一概には言えないから、いろんなポストを経験して判断してほしいと思う
そういうことって、それなりの年数を勤務していないとわからないよね。
多少ギャップを感じても、諦めないで残ってみるのも大事なのかも。


6年目で見えてくるもの

就活のときは、国家公務員が何をやっているのか具体的には分かっていなかったっていうのが正直あるよね。
きれいな言葉では研究者の支援とか環境整備とかふんわりと言えるけど、実際にはよく分かっていなかったと思う。
まあ働く前だからそういうものなのかもしれない。

入省してすぐやりたいことができると思っていたけど、その前にいろんなステップがあって、そのすべてを通して政策立案の素地を養っているということ。
本当にやりたいことを実現するためにも重要なステップだったと気付けるのが5年くらい経ってから、というのがなかなか難しいところだよね。

1年目からそれができると思っちゃうよね、普通。

例えば宇宙政策をやりたかったけど配属が全然違った、みたいな時に、2年間やり過ごそうとかではなく、そこで自分なりに何かスキルを身に着けよう、楽しもうという視点が大事になるよね。
自分の思ってもなかった視点を”異動ガチャ”で学べることもあって、最初はそのギャップに苦しむこともあるかもしれないけど、5年経った今では意味のある良いギャップだったと感じる。

逆に希望の分野に行くのが早すぎると、やりたいことがあるのに経験的にも役職的にもできないっていう苦しみもあるよね。


いかがでしたでしょうか。
入省前後のギャップとは、「入省前にやりたいと考えていること」と、「入省後に実際に割り当てられたポジションでできること」との間に生まれるもののようですが、6年目になって振り返ってみると「むしろそのギャップが糧になっていた」と考えている職員が多いようですね。

次回は後編、こうしたギャップを感じながらも、いかにやりがいをもって仕事を続けていくのか、若手職員の目線から、文科省職員として求められる資質や業務について、そして、これから文科省を目指す方々へのメッセージを頂きます!

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